たから下駄
たからげた

2024/10/20(日)

あらすじ

むかし、むかし、ある所に、心やさしい子供が住んでいま

した。でも,子供のおじは欲張りでした。お母さんが、病気

で床にふしているので、子供はおじの所へ行ってお金を借り

ました。でも母の病気が治らないまま、お金を使い果たして

しまいました。

そこで子供は再び、おじの所へお金を借りに行きました。

「おじさん、お母さんはまだよくなりません。お金がかかり

ます。またお金を貸して下さい。」

「お金を返せない者には、お金は貸せないな。」と言って、おじはお金を貸してくれませんでし

た。

子供は、帰り道、大きな木の下で、どうしたら良いのか途方に暮れていると、いつの間にか眠っ

てしまいました。夢を見ました。

神主のおじいさんが出てきました。

「若者よ。何をそんなに深刻に考えておる。」

「お母さんが病気でお金に困っております。」

おじいさんは、風呂敷から下駄を一足取り出しました。二つの下駄の大きさが少し違っていまし

た。

「この下駄を履いてみなさい。歩きづらくて、すぐ転がってしまいます。転がると、下駄からお

金が出てきます。でも転がる度に背が小さくなります。困った時だけ転がりなさい。」

子供が、目を覚ますと、何と下駄があるではありませんか。おじいさんの言ったことは本当なの

でしょうか。下駄を履いて歩いてみると、すぐに転がってしまいました。すると下駄の下にお金

がありました。子供は、さっそくお母さんのくすりと米を少々買いました。

数日経った日のことです。おじが、貸したお金を取りにやってきました。

子供は、下駄のことをおじに話しました。

「そいつはすごい。よし、お金の代わりにその下駄をよこしな。」

「だめだ。この下駄は絶対だめです。」

おじは話を聞こうとしませんでした。結局下駄を取り上げると家に帰ってしまいました。

家に帰ったおじは、さっそく部屋の中で下駄を履いてみました。そして畳の上で何度も転がりま

した。部屋中、お金が一杯になって、大満足です。でも転がる度に、背がどんどん小さくなって

行くのに気がつきませんでした。

子供は、おじのことが心配になって、行ってみました。

「おじさん。どこにいるんだい。」数回聞きました。

「ここだよ。ここだよ。」

子供は、小さな声のする方へ行ってみました。お金であふれた部屋のすみで、小さくなったおじ

が何度も何度も転がっているではありませんか。


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