あらすじ
昔、ある村にとても働き者の夫婦が住んでいました。でも、どれだけ働いても、生活は楽にはなりませんでした。夫はため息をつきながら言いました。
「もう貧乏にはこりごりだ。どうしてこんなに苦しいんだろう。酒も飲みたいし、お前にきものも買ってあげたい。たまには町にも行きたいよ。」
すると、妻は少し優しく言いました。
「そんなことを言っても仕方がないわ。とにかく、今は働きましょう。」
夫婦は村で一番の働き者でしたが、相変わらず貧乏でした。朝から晩まで畑で働き、家でもわらぐつやかごを作っていました。
ある大晦日の晩、妻は神棚の前で手を合わせて言いました。
「神様、今年はわずかですがお金がたまり、お餅を作ることができました。」
その時、屋根裏から泣き声が聞こえてきました。
「そこで泣いているのは誰だ?」
屋根裏から顔を出したのは貧乏神でした。彼はため息をつきました。
「そうか、俺たちが貧乏なのはお前のせいなんだ。でも、どうして泣いているんだ?」
貧乏神は答えました。
「今年はお前たちが一生懸命働いたから、私はもうこの家にはいられない。まもなく福の神がやってくるから。」
夫が不思議そうに聞きました。
「それじゃ、追い返してここにいればいいじゃないか。」
「でも、腹が減って、力が出ないんだ…」と貧乏神はうなだれました。
妻は優しく言いました。
「元気を出して!この餅と魚をたくさん食べなさい!」
貧乏神はお餅を食べながら言いました。
「うわぁ、こんなにおいしい物は初めて!もっと食べてもいいですか?」
貧乏神はどんどん元気になり、力がみなぎってきました。ついには相撲取りのようにしこを踏みました。
その頃、福の神がゆっくりと家の前にやってきました。
「おお、この家だ!」と福の神が言いながら入り口をノックしました。
「われこそ、福の神じゃ。この家に福を与えに来た。貧乏神はさっさと立ち去りなさい!」
貧乏神は言いました。
「いや、ここからは一歩も離れないぞ。この家の主が福の神は追い返せと言っているんだ!」
その瞬間、妻は応援しました。
「貧乏神、福の神に負けるな!がんばれ!」
福の神は驚いて言いました。
「一体どうなっているんだ?貧乏神の味方をするとは。」
貧乏神はそのまま福の神に飛びつき、外に投げ出しました。
「こんな家には二度と来てやらないぞ!」
そう言って、福の神は去って行きました。しかし、彼は「打ちでの小槌」を忘れていきました。
貧乏神は、小槌を見て目を輝かせました。
「おや、これは打ちでの小槌だ!これがあれば俺はもう貧乏神ではない。俺こそが福の神になれる!」
貧乏神、いや福の神は言いました。
「これは打ちでの小槌です。望みをかなえてくれます。欲しいものは何ですか?」
夫婦は顔を見合わせると、欲しいものを言いました。
「米俵と、きれいなきものと、少しのお金です!」
「今日から私は福の神だ。」と言って、彼は屋根裏に戻り、二人の望みをかなえてくれました。
その後、夫婦はずっと一生懸命働き、末永く幸せに過ごしました。

















































