貧乏神と福の神
びんぼうがみとふくのかみ

2024/10/20(日)

貧乏神と福の神の画像

あらすじ

昔、ある村にとても働き者の夫婦が住んでいました。でも、どれだけ働いても、生活は楽にはなりませんでした。夫はため息をつきながら言いました。

「もう貧乏にはこりごりだ。どうしてこんなに苦しいんだろう。酒も飲みたいし、お前にきものも買ってあげたい。たまには町にも行きたいよ。」

すると、妻は少し優しく言いました。

「そんなことを言っても仕方がないわ。とにかく、今は働きましょう。」

夫婦は村で一番の働き者でしたが、相変わらず貧乏でした。朝から晩まで畑で働き、家でもわらぐつやかごを作っていました。

ある大晦日の晩、妻は神棚の前で手を合わせて言いました。

「神様、今年はわずかですがお金がたまり、お餅を作ることができました。」

その時、屋根裏から泣き声が聞こえてきました。

「そこで泣いているのは誰だ?」

屋根裏から顔を出したのは貧乏神でした。彼はため息をつきました。

「そうか、俺たちが貧乏なのはお前のせいなんだ。でも、どうして泣いているんだ?」

貧乏神は答えました。

「今年はお前たちが一生懸命働いたから、私はもうこの家にはいられない。まもなく福の神がやってくるから。」

夫が不思議そうに聞きました。

「それじゃ、追い返してここにいればいいじゃないか。」

「でも、腹が減って、力が出ないんだ…」と貧乏神はうなだれました。

妻は優しく言いました。

「元気を出して!この餅と魚をたくさん食べなさい!」

貧乏神はお餅を食べながら言いました。

「うわぁ、こんなにおいしい物は初めて!もっと食べてもいいですか?」

貧乏神はどんどん元気になり、力がみなぎってきました。ついには相撲取りのようにしこを踏みました。

その頃、福の神がゆっくりと家の前にやってきました。

「おお、この家だ!」と福の神が言いながら入り口をノックしました。

「われこそ、福の神じゃ。この家に福を与えに来た。貧乏神はさっさと立ち去りなさい!」

貧乏神は言いました。

「いや、ここからは一歩も離れないぞ。この家の主が福の神は追い返せと言っているんだ!」

その瞬間、妻は応援しました。

「貧乏神、福の神に負けるな!がんばれ!」

福の神は驚いて言いました。

「一体どうなっているんだ?貧乏神の味方をするとは。」

貧乏神はそのまま福の神に飛びつき、外に投げ出しました。

「こんな家には二度と来てやらないぞ!」

そう言って、福の神は去って行きました。しかし、彼は「打ちでの小槌」を忘れていきました。

貧乏神は、小槌を見て目を輝かせました。

「おや、これは打ちでの小槌だ!これがあれば俺はもう貧乏神ではない。俺こそが福の神になれる!」

貧乏神、いや福の神は言いました。

「これは打ちでの小槌です。望みをかなえてくれます。欲しいものは何ですか?」

夫婦は顔を見合わせると、欲しいものを言いました。

「米俵と、きれいなきものと、少しのお金です!」

「今日から私は福の神だ。」と言って、彼は屋根裏に戻り、二人の望みをかなえてくれました。

その後、夫婦はずっと一生懸命働き、末永く幸せに過ごしました。


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