あらすじ
むかし、むかし、ある所に運の悪い正直者の男が住んでいました。朝から晩まで一生懸命働いても、いつも貧乏で困っていました。
ある日、男は「もうダメだ、運が良くなるように観音さまにお祈りしよう」と思いました。彼は飲まず食わずで、観音さまに祈りました。
「どうか、私に運をください」と願いました。
すると、夕方になったとき、観音さまが目の前に現れました。「あなたはこのお寺を出る時、転がって何かをつかむでしょう。それを持って西に行きなさい。」
男は、「はい、わかりました!」と答え、お寺を出てみると、本当に転がって何かをつかみました。それは一本のわらでした。
「わらなんて何の役にも立たないだろう」と思いましたが、男はわらを持って西へ進みました。
その途中、あぶが飛んできました。男は「あぶが捕まえられる!」と思い、あぶをつかまえてわらの先に縛りつけました。
「これで少しは役に立つかな」と、さらに歩いて行きました。町に着くと、赤ん坊がわらの先のあぶを見て、泣き止んだのでした。
「お母さん、赤ちゃんが泣かないで喜んでいる」と嬉しくなり、男はわらをロネに渡しました。すると、赤ん坊のお母さんが、男にミカンを三つくれました。
「ミカン、三つもありがとう!」と、大喜びの男は、ミカンを手にさらに西へ進みました。
しばらく行くと、道端で苦しそうにしている娘を見かけました。「水が欲しい」と娘が言いました。男は「これをどうぞ」とミカンを渡しました。すると、娘はみるみる元気になりました。
「ありがとうございます!」と娘はお礼を言い、男にきれいな絹の布をくれました。
「すばらしい布、ありがとう!」と男は絹の布を持って、さらに西へ歩き続けました。
次に出会ったのは、サムライと元気のない馬でした。サムライは「その美しい布をお持ちの方、馬と交換しよう」と言いました。
「はい、馬が欲しい!」と男は喜んで布と馬を交換しました。男は馬の面倒を見ていると、朝には馬は元気になりました。
「さあ、これでまた西へ行こう!」と男は馬を連れてさらに歩きました。
やがて城下町に着くと、裕福なおじいさんが馬を見てとても気に入りました。「この馬は素晴らしいね、ちょっと家に来なさい」と言われ、男はおじいさんの家に招かれました。
その時、何と男にお茶を持ってきたのは、あのミカンをあげた娘だったのです。
「この縁は不思議ですね。あなたの優しさに感心しました。娘をあなたに嫁がせますよ」とおじいさんは言いました。
男はこうして観音さまの言葉通り、一本のわらから長者になりました。そして、生涯、わら一本を大切にしました。
村人たちは、彼を「わらしべ長者」と呼びました。ほんとうに、めでたし、めでたし。

















































