あらすじ
あるところに長者さんが住んでいました。長者さんの家にはたくさんの奉公人が働いていて、その中にとても真面目に働く丁稚(でっち)どんがいました。
丁稚どんは仕事が速くはないけれど、いつも一生懸命でした。「お前も頑張れよ!」と他の丁稚たちが言うと、丁稚どんは「はい、頑張ります!」と答えました。
ある日、長者さんの娘が言いました。「あの木に止まっている蝉を捕まえてきて。」丁稚どんは木に登りましたが、もう少しのところで蝉に逃げられてしまいました。「お前は本当のあほだな!」と仲間たちは笑いました。「正直者は馬鹿を見るって言うのに!」丁稚どんは少し悲しそうに「でも、僕は頑張ったんだ!」と返しました。
そして大晦日、丁稚たちは支払いと取立てに行きましたが、他の丁稚たちは早く帰ってきました。「やっぱり、丁稚どんに頼もう」と言って、みんな彼に頼りきりです。丁稚どんは全ての家を回り、夜遅くに帰ってきました。
お風呂に入った後、丁稚どんは自分の着物が見当たらないことに気づきました。「どうしたんだろう?僕の着物はどこにいったんだろう?」周りを探していると、長者さんがやってきて言いました。「お前の新しい着物だ。これを着なさい。」
「いや、そんなことはできません。働くには今の着物が一番です!」と丁稚どんは言いました。すると、長者さんは微笑みながらこう言いました。「私には一人娘がいるだけで、跡取りがいない。だから、お前さんに跡取りになってもらいたいのだ。」
次の朝、長者さんはみんなを集めて言いました。「皆、聞いてくれ!この若者が私の跡取りだ。これからは彼の言うことをよく聞きなさい。」
その後、丁稚どんは長者さんの娘さんと結婚し、長者さんの跡取りになりました。「長者さんちの婿殿」と呼ばれるようになったのです。
でも、丁稚どんはそのことをあまり気にせず、相変わらずもくもくと働きました。その結果、家はますます繁盛して、いつしか「長者さんちの若旦那」と呼ばれるようになったのです。

















































