三つの壺
みっつのつぼ

2024/10/20(日)

三つの壺の画像

あらすじ

むかし、むかし、ある商家で、欲深い男が働いていました。ある日、彼は墓地の近くの大きな松の木の前を通りかかりました。ふと、誰かに呼ばれたような気がしました。

「おい、そこの男!金貨が詰まった壷が三つ、欲しくないか?」

男は周りを見回しましたが、誰もいませんでした。しかし、また同じ声が聞こえました。

「金貨が入った3つの壺はいらんかな?」

驚いたことに、その声は人間ではなく、松の木からでした。男は松の木に向かってこう答えました。

「そんなおいしい話、断るわけがないだろう!どこにあるんだ?」

「家に帰ってみろ。お前の家の納屋に壺が三つあるから。」

男は急いで家に戻り、すぐに小さな壺を三つ見つけました。ワクワクしながら最初の壺のふたを開けました。すると、あふれんばかりの眩い金貨が出てきました。

「やった!これは素晴らしい!」

次に開けた壺にも同じように金貨が詰まっていて、彼は大満足しました。しかし、最後の壺を開けると、なんと中には半分しか金貨が入っていませんでした。

「こんなはずではない!この壺も他の二つのように金貨でいっぱいにしなければ!」

男は金目のものを売って金貨を手に入れ、その壺に入れましたが、壺は相変わらず半分のままでした。

その日から、男の心は「壺をいっぱいにしたい」という欲望に支配されました。彼は食事や着物まで切り詰めて、家族にも贅沢を許しませんでした。

「家族には普通の暮らしをさせたいんだ!」

しかし、いくら貯金を壺に入れても、貪欲な壺は一向に満杯にはなりません。ついには、男は給金を上げてもらおうと主人に頼みました。

「家族に普通の暮らしをさせたいので、給金を上げてください!」

給金が上がっても、彼の心は満たされず、妻も逃げてしまい、男は痩せ細り、骨と皮だけになってしまいました。

ある日、主人は男の様子を見て心配し、こう言いました。

「どうしたんだ?数か月前は幸せそうだったのに、今は病人のようだ。まさか、あの金貨の壺を持っているのでは?」

男は、主人の言葉で我に返りました。

「そうだ、あの壺なんだ…!」

松の木のところへ急ぎ、こう叫びました。

「壺は返します!もう十分だ!」

家に帰ってみると、苦労して集めた金貨は消えていました。しかし、男は心からホッとしました。

「これでようやく幸せになれるかもしれない。」

もしかして、あなたの心の中に、不幸をもたらす壷が隠れているかもしれませんね…。


: 50


寓話

物語

関連

© 2025 新解釈物語 | All Rights Reserved.