あらすじ
むかしむかし、あるところにおじいさんとおばあさんが住んでいました。
おじいさんはとても親切で働き者でした。「毎日、山に焚き木を取りに行かなくちゃいけないなあ」と、おじいさんはつぶやきました。一方、おばあさんは欲張りで怠け者。「外で働くなんて、いやよ。家にいる方が楽しいから」と、いつも家の中にいました。
ある日、おじいさんが山で焚き木を集めていると、不思議な声が聞こえてきました。「焚き木をくれ!」と叫ぶ声です。「どこからだろう?」とおじいさんは声のする方へ行ってみました。すると、その声は穴の中から。焚き木をその穴の前に置くと、焚き木が穴の中に吸い込まれました。
「おや、これはどうなっているのか?」と驚いて、穴の中を覗くと、おじいさんも吸い込まれてしまいました。穴の中には、赤く燃える火があり、火の神社がありました。「あなたか。焚き木をありがとう」と、火の神さまが言いました。「この包みをお礼に贈ります」と言って包みを渡しました。
おじいさんは家に帰り、包みを開けてみると、中からおかしな顔をした子供が出てきました。「この子は誰だ?」とおじいさん。「だめ、こんな子が欲しいなんて言わないで」とおばあさんは不満でしたが、おじいさんはその子を「ひおとこ」と名づけ、大切に育てました。
しかし、ひおとこはおへそをいじるばかり。「おへそをいじっちゃだめだよ、ひおとこ」とおじいさんは注意しましたが、全然やめません。ついにおへそはパンパンに膨れ上がりました。「おじいさん、かわいそう!」と見えないフリをしていたおばあさんでしたが、おじいさんは心を痛めておへそを葉巻入れで軽くたたいてみました。
すると、どうでしょう、金貨が出てきたのです。「わあ、金貨だ!」とおばあさんも喜びました。「もっと叩いて、もっと金貨をもらおう!」とおじいさんは、毎日三回優しく叩いてあげました。二人はあっという間にお金持ちになりましたが、おじいさんは山に焚き木を取りに行くことをやめませんでした。
ある日、山でおじいさんが働いていると、おばあさんが大きな葉巻入れを持ってきました。「この葉巻入れで叩けば、たくさん金貨が手に入るよ!」とおばあさんは叫びました。ひおとこは必死に逃げ回りましたが、燃え盛るかまどの中に飛び込んでしまいました。「なんてことだ、ひおとこが!」とおじいさんは悲しみました。火の神さまのいる火の国に戻ってしまったのです。
おじいさんはとても寂しく思い、ひおとこのお面を作り、かまどのそばの柱にかけました。「これでひおとこを忘れないようにしよう」と言いました。
今でも、かまどのそばにひおとこのお面をかける習慣があります。いつの間にか、ひおとこは「ひょつとこ」(おかしな顔)と呼ばれるようになりました。

















































