姥捨て山
うばすてやま

2024/10/19(土)

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あらすじ

わがままな殿さまが国を治めていましたが、年寄りが大嫌いでした。ある日、殿さまは家来に国中に立て札を立てるよう命じました。その立て札には、「六十を過ぎた年寄りは山に捨てるべし。従わない家は皆殺し。」と書かれていました。村人たちは家族が殺されるのを恐れ、仕方なく殿さまの命令に従うことになりました。

そんな中、年老いた母親を抱えた若者がいました。母親は「息子よ、私は六十だ。山に捨てておくれ。」と言いましたが、若者は「お母さん、そんなことはできません。」と答えました。母親は「隣のおばあさんも前のおじいさんも捨てられた。心配しなくていいよ。」と言いました。若者はしぶしぶ母親を背負い、山に登りましたが、母を置いて帰ることができず、夜にこっそり家に戻り、裏の納屋に隠しました。

数日後、殿さまは村人に灰の縄を作るよう命じました。若者は母親に相談し、「お母さん、灰の縄を作れと言われたが、できません。誰もできなければ年貢が高くなる。」と言いました。すると母親は「それは簡単よ。教えてあげる。」と言い、若者は母の言う通りに藁縄の輪を作り、塩水に浸し、乾かして燃やしました。

若者はこれを殿さまのところに持っていきました。殿さまは「お主、なかなかやるな。では、もう少し難しい問題を出そう。これは一本の棒だ。どちらが根の方で、どちらが枝の方か、一両日中に教えよ。」と言いました。若者は家に帰り、母親に尋ねました。「どうすればいいですか?」すると母親は「水の入った桶を持ってきなさい。」と教えました。若者は桶を用意し、棒を水に入れると、下に沈む方が根で、浮いた方が枝だとわかりました。

若者はこの答えを殿さまに言いました。殿さまは「やるな。それでは一番難しい問題を出そう。叩かなくても音が出る太鼓を作ってきなさい。」と言いました。若者は困り果てて家に帰り、再び母親に助けを求めました。すると母親は「山で蜂を数匹捕まえてきなさい。」と言いました。母親は太鼓の皮を少し緩めて蜂を入れ、再び皮を締めると、太鼓は音を立て始めました。

若者はその音のする太鼓を殿さまに渡しました。殿さまは驚いて「参った。そちは一人で三つの難題を解いたのか。」と言いましたが、若者は「実は私は何も考えていません。問題を解いたのは母親です。私は年寄りを山に捨てることはできなかった。」と告げました。続けて若者は、「年寄りは体が弱くなっても、若い者よりも知恵があります。」と話しました。

殿さまはしばらく考え、「その通りだな。わしが間違っていた。年寄りを山に捨てるのはやめよう。」と言いました。そして、若い者は年寄りを大切にすべきだというお触れを国中に出しました。


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