年神さま
としかみさま

2024/10/20(日)

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あらすじ

昔々、あるところに正直なおじいさんとおばあさんが住んでいました。ある大晦日、二人はこんな話をしました。

「おじいさん、もう歳をとって、子供もいないから、どうやったら楽に死ねるかな…」

「そうね、簡単に死ぬのは難しいかもしれないね。」

「じゃあ、フグを丸ごと食べてみるか?」

おじいさんはフグを一匹買ってきて、鍋に入れて煮ていました。すると、家の中を覗くものがいました。それは、髪がぼうぼうのやせたじいさんでした。

「いやあ、いい匂いだな。お腹がすいてたまらん。どうかごちそうしてくれ。」

「ごめんよ、これは人が食べられない魚なんだ。あげるわけにはいかない。」

「なんで、食べられない魚を煮るんだ?ひときれでいいから、お願い!」

「絶対にダメだよ。」

しかし、そのじいさんは勝手に家に入り、鍋の蓋を開けました。

「ほんのひときれでいいよ。」

あっという間に、そのじいさんはフグを口に入れてしまいました。

「これは美味い!もっと食わせてくれ!」

どんどん食べ続け、鍋が空っぽになると、じいさんはその場に仰向けになって死んでしまいました。

びっくりしたおじいさんが言いました。「ばあさま、正月が来るのに、こんな死体をこのままにしておけないよ。」

「本当にそうね。」

「そうだ、土間にむしろを敷こう。私が運んでいく。」

おじいさんは死んだじいさんを背負って、土間のむしろの上に置き、見えないように藁を掛けました。

正月が過ぎて、こもを取ってみると、じいさんの姿はなく、何かが引っかかっていました。

「これは何だろう?」と、ばあさまが手にしたのは両手いっぱいの小判でした。

「ありがたいことだ!お前の代わりにフグを食べてくれて、小判をもらったんだ。」

「これはきっと年神さまだわ。」

それから、おじいさんとおばあさんは、正月が来るたびに部屋の奥にこもを掛けて、「また来てください。大事にします。」とお祭りするようになったのでした。


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