馬になった男
うまになったおとこ

2024/10/19(土)

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あらすじ

三人の旅人が伊勢神宮に向かって歩いていました。江戸から何日も歩き続けて、ある見知らぬ町にたどり着きました。彼らはその町の旅籠に泊まることにしました。

晩ご飯には、見たことのない美味しい饅頭が出されました。次の朝、目を覚ますと、なんと三人は馬になっていました。

「うわ、いったいどうなってるんだ?」と一頭の馬が言いました。その時、宿の主人が見知らぬ男と一緒に部屋に入ってきました。男は馬の仲買人でした。

「いい馬だな」と言いながら、仲買人は宿の主人にお金を渡しました。三頭の馬は、仲買人に引かれ、外に連れて行かれました。彼らはお金持ちの商人に売られ、商人は馬たちに重い荷物を運ばせました。

「重いな」「疲れるな」「きついな」と馬たちは言いましたが、人間にはわかりませんでした。一日中働かされ、食べられるのは残り物だけでした。

ある晩、馬たちは通りすがりの人たちが話しているのを聞きました。「今日は馬の話の浄瑠璃を見に行こう!」。一頭の馬が言いました。「人間だった時はよく行ったな。今日は俺たちの話だぞ。見に行かないか?」

「俺は別に興味ない」と他の馬が言いました。「俺もだ」ともう一頭。しかし、芝居好きの馬は、仲間の力を借りて馬小屋をこっそり抜け出しました。そして、舞台裏で芝居を立ち聞きしました。

語り手は「野原の中に堤があります。その周りにはススキが咲き、その中に縞模様のススキがあります。それを食べた馬は人間に戻る」と言いました。馬はその話を聞いて、喜びのあまり急いで堤を探し始めました。

数日後、ついに縞模様のススキを見つけました。さっそく食べると、人間の姿に戻ることができました。喜んだものの、まだ馬のままの仲間を忘れませんでした。彼はススキを集めて仲間のところに戻り、仲間も人間に戻りました。

「これからどうしよう」と一人が言いました。「まずは、あの宿の主人に仕返ししよう。毎日、見知らぬものを出して、客を馬にしているに違いない」ともう一人が続けました。「それがいいね」と最後の一頭。

三人は宿に忍び込み、問題の饅頭を見つけました。「こいつが悪いんだ。この饅頭を食べてどれだけの人が馬になったことやら」と彼らは言いました。そこで三人は、それを菓子屋に持って行き、煎餅に加工してもらいました。

その晩、旅籠を再び訪れて、主人に言いました。「伊勢の土産です。ちょっと召し上がってみませんか?」と。主人は「おや、うまそうだ。実にうまい」と言いながら食べ始めた瞬間、彼も馬になってしまいました。

「申し訳ありません。二度とこんな悪事はしません。許してください」と馬が鳴きましたが、馬の言葉を理解できる人はいませんでした。


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