たから橋
たからばし

2024/10/20(日)

あらすじ

むかし、むかし、山に長治という正直者が住んでおりました。長

治は炭を焼いて暮らしておりました。

ある晩のことです。長治は、不思議な夢を見ました。夢枕に不思議

な老人が現われ、こう言いました。

「長治や、町に出かけて行って、『たから橋』と言う橋に立ちなさ

い。きっといいことがあるであろう。」

朝、さっそく出かけてみました。背中に商い用の炭を入れた藁袋を

担いで、町へ急ぎました。

長治は、橋を見つけると、そこに立ちました。

「何かいいことがあるんだろうか。」

長治は、一日中そこに立っていましたが、これと言ったことは起こりませんでした。

二日目、三日目もそこに立っていましたが、これと言ったことは起こりませんでした。

五日目の晩のことです。橋の近くの豆腐屋の主人が長治のところにやって来ました。

「五日間もここで何しているのですか。」

「夢で言われたことをしているのです。」

主人は笑って言いました。

「馬鹿らしい。夢なんて。わしも昨夜夢を見た。不思議な老人が出てきてこう言った。『山に長

治と言う若者が住んでいる。家の近くの松ノ木の下を掘りなさい。きっといいことがあるであろ

う。』と。でも長治なんている者は知らん。所詮夢物語さ。」

長治は、自分の名前が出てきて驚きましたが、平静を装いました。家に戻りと、さっそく松の木

の下を掘ってみました。何と宝がザクザクです。それからは、若者は、「長治」ではなく「長者」

と呼ばれました。


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