さる長者
さるちょうじゃ

2024/10/20(日)

あらすじ

ある年の大晦日、長者さんの家では、新年の準備

で大忙しでした。そんな折、誰かが玄関を叩く音がしました。長者が

戸を開けると、そこにはみすぼらしいお坊さんが立っておりました。

雪で真っ白で、びしょびしょでした。

お坊さんは、物静かに主人に言いました。

「道に迷ってしまいました。外も暗くなってしまいましたので、一晩

泊めてもらえませんでしょうか。」

「あなたのような汚らしい坊主は泊められません。」と主人は言うと、戸をピシャと閉めまてし

まいました。

お坊さんは、別の家の戸を叩きました。

おじいさんとおばあさんが住んでおりました。

「道に迷ってしまいました。外も暗くなってしまいましたので、一晩泊めてもらえませんでしょ

うか。」

「大晦日にお坊さんに来ていただくとはありがたいことです。散らかっておりましが、どうぞお

入りください。」と二人は言って、お坊さんをいろりの所で体を温めるよう薦めました。

「ありがたいことです。このいろりになべを掛けて、じゃがいもを三つ入れて見てください。」

とお坊さんは、物静かに言いました。

おぼうさんは、正座すると手を合わせ、目を閉じてお祈りしました。

すると、驚いたことに、そのなべから、米や餅や野菜や魚や肉などが出てきました。

「お坊さん、驚きました。新年を前に、こんなすばらしいものありがとうございます。夢のよう

です。」

元旦、お坊さんがその家を去るとき、二人に言いました。

「感謝の気持ちを送りたいと思いますが、何かほしい物はありませんか。」

「いえ、もう十分です。お気持ちだけで結構です。」

でもお坊さんが、どうしてもと言うので、二人はこう答えました。

「もう年で働くのも大変になりました。若ければ、また一生懸命働くことができます。」

お坊さんは、袖から粉を少し取り出すと、言いました。

「お風呂に、この黄色い粉を入れて、入りなさい。」

その晩、二人はその粉を入れたお風呂に入りました。

不思議なことが起こりました。

「きれいだね。」と夫が言いました。

「おとこ前だわ。」と妻が言いました。

二人は、若い夫婦になっていました。

このことを聞くと、あの長者は、お坊さんを探し出すと、力ずくに家に連れてくると、豪かな食

事の前に座らせ、魔法の粉を要求しました。

お坊さんは、長者に、黄色ではなく赤い粉をあげました。長者は、お坊さんを追い出すと、さっ

そく赤い粉を入れた風呂に、妻と一緒に飛びこみました。

二人は、お尻の赤いさるになってしまいました。


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