かえるとへび
かえるとへび

2024/10/19(土)

あらすじ

むかし、むかしのこと。神さまはすべての生き物を造り、みんなが仲良くやって

いけるようにきまりを作ったということです。神さまの仕事は生き物を造ること

ですが、すべての生き物に名前と生命も授けました。でもまだそれぞれにどんな

食べ物を与えるか、はっきりとは決めていませんでした。

しばらくの間は、何も食べなくても生き物は生きることができました。でもだん

だんと元気がなくなり疲れを感じるようになりました。でもどうしてだかわかり

ませんでした。

一番かしこい生き物であるへびが言いました。

「元気でいるためには何か食べなくてはならない。今のこの感じが『空腹』というものだと思う。」

みんなはへびにたずねました。

「もし、あなたの言うことが本当だとすれば、何を食べたらよいか教えてください。」

「僕にはわからない。でも僕たちを造ってくれた神さまなら何でも知っている。神さまの所へ行って

何を食べたらよいか尋ねてみよう。」とへびが提案しました。

さっそくすべての生き物は神さまの所へいくと恐る恐る尋ねました。

「神さま、私たちを造ってくれてありがとうございます。でも私たちは何を食べたらよいかわかりま

せん。どうか私たちに何を食べたらよいか教えてください。このままだとみんなじきに死んでしまい

ます。」

神さまは一つずつ、一匹ずつ、一頭ずつ生き物を造るのに忙しくて、そこまで考える暇はありませ

んでした。みんながそういうのももっともでした。神さまは生き物に向かって言いました。

「みなのもの、皆がここに来る前に食べる物を決めておくべきだった。近頃ちょっと忙しくて気が回

らなかった。申し訳ない。よろしい。今夜考えることにしよう。明日の朝、皆に知らせよう。よろし

いか。」

神さまのことばに大喜びな生き物たちは期待に胸を膨らませました。

次の朝です。夜が明けるのも待ちきれず、生き物たちは再び神さまの所へ急ぎました。もちろんへ

びも、神さまの言葉を聞こうと、その中にいました。他の生き物より早く家を出たのですが、まもな

くみんなに追いつかれ、追い抜かれてしまいました。その中にいたかえるが追いつきざまへびに言い

ました。

「ねえ。へび君。歩くのがのろいのね。もうちょっと速く歩いて、私と一緒に神さまの所へ行きまし

ょうよ。」

「ああ、はい、かえるさん。どうか先に行ってください。僕より先に神さまに会ってください。待っ

ておいでだから。僕も後から来ると伝えてください。」へびが、ハアハアあえぎながら言いました。

「へびさんだってもっと速くあるけるわよ。ねえ、一緒に行きましょうよ。」

「僕も一緒に行きたいな。でもお腹がすいてて、とても君のようには歩けないよ。せいぜいこんな風

に地面を這っていくことしかできないよ。」とへびはかえるに言いました。

かえるはちょっと腹が立ちました。自分の誘いが断られたと思ったからです。

「いいわ、そう言うなら、後からついてきて私のお尻をなめて。」と捨て台詞をいうとかえるはへびの

前をピョンピョンと飛んでいってしまいました。あっという間にかえるは見えなくなってしまいまし

た。

かえるが神さまの所についた時には、もう他の生き物も来ていて神さまから答えをもらっていました。

神さまは生き物それぞれに何を食べるか、こんな風に話していました。

「牛、馬は草を食べること。草はどこにでもあるから、これからはお腹がすくことはないだろう。」

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「犬や猫は人間からエサをもらうこと。ちゃんと人間に仕えれば人間からごちそうをもらえる。」

「モグラは土の中の虫を食べること。土の中は夏涼しく、冬暖かい。」

そしてついにかえるの番がやってきました。神さまは言いました。

「かえるは虫を食べること。」これを聞いてかえるはほっとしました。虫なら簡単にどこでも食べられ

るからです。

上機嫌で立ち去ろうとした時、神さまが付け加えました。

「かえる、おまえはここへ来る途中、へびをからかった。へびにはお前の尻をなめさせよう。お前が

そう言ったから。お前の望みをかなえてあげよう。」

かえるはたまげて言いました。

「神さま、そんなにまじめに取らないでくださいよ。ほんの冗談ですよ。」しかし神さまは一回言った

ことは決して変えません。

神さまがかえるに話しているちょうどその時、へびが到着し聞いていまし

た。かえるはへびを見るとぞっとしました。震え声で言いました。

「ごめんね、許して、さっき言った・・・」へびは、かえるが言い終わら

ない内に後ろから近づくと、一気にかえるを飲み込んでしまいました。

それはへびが望んだことではありません。神さまが決められたことなので

す。今でも、へびはかえるを見ると後ろから一気に飲み込んでしまいます。


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