あらすじ
むかし、むかし、京都比叡山延暦寺に小さな弟子がおりました。
ある晩、僧たちは何もすることがなかったので、一人の僧がこう提案しました。
「ぼた餅でも作らないか?」
その小さな僧は、みんなが庫裏(くり)でぼた餅を作っている間、
部屋の隅で寝ているふりをしました。ぼた餅を食べたがっていると
思われたくなかったのです。
まもなく、ぼた餅ができたようでした。誰かが起こしてくれると
思っていると、その通りでした。
「おい、坊、起きろ!」
うれしく思いましたが、ぼた餅を食べたかっていると思われたくないので、返事を
しませんでいた。もう一度言われるまで答えないことにしました。
寝たふりをしたままでいると、別の僧が言いました。
「寝かしておけ。ぐっすりだ。」
これを聞いて、戸惑いましたが、もう一回起こしてくれることを願いました。
しばらくすると、みんなが食べているのが聞こえてきました。もう我慢できませんで
した。大声で。
「はい!!」と叫びました。
みんな大笑いです。「宇治拾遺物語」より
















































