龍姫劇団わらび座
りゅうひめ

2024/10/18(金)

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あらすじ

むかし、むかし、ある山村に老夫婦が住んでいました。

ある日、二人は湖のそばで赤ん坊を見つけ、子供がなかったのでわが娘のように育てました。

娘は十八、美しく成長しました。娘の家のとなりに住む、親のいない兄弟は子供の時から娘のことが好きでした。兄の方は男前で活発でした。一方、弟

の方は、心が優しいものの少しとろいところがありました。

ある日、村を訪れた領主が、娘が村祭りで踊っているのを目にして、気に行ってしまいました。娘

は、側妻となるように命ぜられました。村人たちは、村の繁栄の意味もあり、心から喜びました。で

もあの兄のことが忘れられず、山の中に逃げ、ついには崖ぎわまで追われて湖に身を投げました。

すると龍が湖に出るようになりました。娘が龍になった、と村人たちは信じました。しかし、龍は娘

の父、「龍王」だったのです。

ある年のこと、村は長い旱魃(かんばつ)にみまわれました。田んぼはもちろんのこと、湖さえも

干上がってしまいそうでした。領主は、乾いた湖に田んぼを作るよう命じました。村人たちは、その

晩、不思議な夢を見ました。夢の中に娘が現われ、こう言いました。

「どうか湖を救って下さい。人間だけでなく動物のためです。湖をもとに戻してください。」

しかし、村人たちは耳を貸そうとせず、湖に田んぼを作り続けました。

とうとう龍王の怒りをかい、大洪水を起こし、全てを洗い流してしまいました。兄弟も湖の中で亡く

なってしまいました。

娘は父にお願いしました。<

「あの兄弟が好きでした。私の命と引き換えに二人に命を与えてください。実は、私は兄の子を宿し

ているのです。」

「二人にお前の命をあげたら、お前は二度と人間には戻れないぞ。一生醜い龍でいなければならない

ぞ。」

娘は龍になることに同意し、兄は湖の中で暮らし、弟は娘と兄の子を携えて村に戻りました。

そして十五年が経ち、子供は、母のような娘に成長しました。

ある日、娘のおじが、湖を眺めながら、言いました。

「十五年前、私たちはお前のお母さんに救われた。お母さんはお前のよう

に美しかった。でもお前のお父さんと私の命を救うために龍になった、私

は、お前が十五になったら、湖に戻ると約束した。今日がその日なのだ。

弟は湖に入り、二度と戻っては来ませんでした。今日、その湖は「田沢湖」

と呼ばれている。


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