謎めいた男の子宇治拾遺物語
なぞめいたおとこのこ

2024/10/18(金)

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あらすじ

むかし、むかし、ある所に力持ちの大男が住んでいました。男は自分の強さが自慢で、村の相撲大会でも負けたことはありませんでした。男は、もっと強い男と出会って、相撲を取りたいと思いました。

そんな時、江戸で相撲大会が開かれることを耳にして、大男は参加しようと江戸に向かいました。

江戸見物をしている大男を見て、人々は家に逃げ込みました。

「怪物だ。怪物がやって来る!逃げろ!」

男は、自信満々、大声で歌いながら、木を引き抜いたり、通りの壁や塀を蹴り

倒したりしながら、寺子屋の前を通りかかりました。

すると、男の子が寺子屋から出てきて怪物に言いました。

「おい、お前!うるさいぞ!静かに歩け!」

「生意気ながきめ!」

そう言うと、子どもに向かっていき、足蹴にしようとしました。

しかし、子どもが素早く身をかわしたので、男は前のめりに倒れました。子どもは大男の脚を掴むと、

空高く持ち上げ、その巨体を岩のように投げました。男は地面に落ちると意識を失ってしまいました。

「何と強い子だ!」

それを見ていた人々は歓声を上げました。

男は、しばらくして意識を回復したものの、腰の骨を折ってしまったので、動けませんでした。

翌日、番屋に運ばれた男は、番人に男の子のことを話しました。

「あんな強い子は初めてだ。もう相撲大会にも出られない。」

「江戸にそんな強い子がいるとは驚きだ。」

番人は、江戸のあちこちに次のような札を立てました。

次の相撲大会では、相撲取りに劣らぬほど大力の子どもがいれば、出場を許す。

しかし、参加を申し出た子どもはなく、番人たちは江戸中を探し回りました。

「この辺には、そんな子どもはいません。」

番人に聞かれると、誰もがそう答えました。

やがて、人々は若き仏様が、野蛮な大男を懲らしめるためにやってきたのだと信じました。

宇治拾遺物語「ふしぎな学生」より


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