黄色が恐い
きいろがこわい

2025/3/26(水)

あらすじ

朝、普段通り目覚めた高梨江美は、テレビから流れる占い番組で『今日の注意カラーは黄色』という声を聞き、不安にかられた。今朝選んだ服にほのかな黄色みを感じ、慌てて別の服に着替えると、マンションを飛び出す瞬間、黄色い帽子をかぶった幼稚園児たちが行進する姿が彼女の前に立ちはだかった。無邪気な笑顔の奥にどこか異様な雰囲気が漂い、結果的にいつものバスに乗り遅れてしまう。

職場に着くと、上司は黄色い書類ファイルの不備を指摘し、江美は次第に「なぜ黄色だけがこんなに不吉なのか」という疑念と恐怖に取り憑かれる。すべての出来事が黄色を中心に展開する中、彼女はミスの挽回を図るため、急ぎ建設現場へと向かった。現場では、工事用具や資材に至るまで、あらゆるものが黄色い影を落としており、まるで運命の悪戯に翻弄されているかのようだった。

そのとき、現場の隅にひっそりと佇む年老いた作業員が、穏やかな口調で江美に語りかけた。『恐れるな。黄色はただの色ではない。あなたの内に眠る情熱と変革の象徴だ』という一言に、これまでの出来事が自らへの試練であったことを悟る。全ての不吉な出来事は、実は彼女自身の心の弱さから生まれた幻であったのだ。

その瞬間、現場の黄色い影は次第に柔らかな光に変わり、冷え切った空気が温かさへと溶け込むのを感じた。恐れを乗り越えた江美は、黄色に秘められた希望と未来への扉を力強く受け入れる決意を固めた。やがて、テレビの占いが再び放映され、『あなたには輝く未来が待っています』との温かいメッセージが流れると、全てが必然の流れであったことを告げるかのように物語は意外なオチを迎えた。


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