あらすじ
水谷裕美は、学位論文のテーマとして『自虐性』に着目し、肉体を傷つける精神病患者・田口修を研究対象に選んだ。初めての面会で、田口はかすれた声で『僕はかつて恐竜だった』と呟く。その言葉に最初はただの妄想と笑い飛ばされたが、面会を重ねる中で、田口の語る古代の記憶と、彼自身の異様な行動の間に不思議な関連があることに裕美は気づく。ある夜、裕美は病院裏の廃屋で、田口が古びた箱から恐竜の骨片と見紛う奇妙な標本を取り出すのを目撃する。突如として、田口の身体は激しい痙攣に見舞われ、まるで恐竜の姿が浮かび上がるかのような幻影を放った。衝撃の結末は、田口が実は秘密裏に人体実験の一環として恐竜の遺伝子を組み込まれた存在であり、自らの肉体を通して恐竜伝説を蘇らせる儀式を繰り返していた事実にあった。田口は、にっこりと微笑むと『恐竜は、いつも僕の中にいた』と呟き、そのまま闇夜の中へと消えていった。

















































