時の女神
ときのめがみ

2025/3/26(水)

あらすじ

七夕の夜、澄んだ星空の下、小学生の沢田修平は初めて謎めいた白いドレスを纏う女性に出会った。彼女は静かに歩み、手にした一輪の花を星に捧げるかのようで、その姿はまるで夢の中の幻影のようだった。年を重ねるごとに、彼はふとした瞬間に彼女の姿を目撃する。高校、生涯の出会いを果たし、そして社会人になった今でも、彼女の姿は変わらず、幼い日の輝きを宿していた。

いつしか勇気を振り絞った沢田は、彼女に語りかけ、二人は不思議なほど自然に交際を始める。やがて迎えた結婚式の日、満天の星と祝福の中、彼女は美しい花嫁として現れた。しかし、夜も深まると共に会場の時計が突如逆回転し始め、過去の記憶が一つずつ巻き戻されるかのような現象が発生する。驚愕する参列者の前で、彼女は静かに真実を告げた。

「私はあなたの幼い頃から、時そのものとしてあなたの記憶と運命をつむいできた存在。決して人間ではなく、あなたが生きる時間そのものなのです。」

その瞬間、彼女の姿は次第に薄れ、まるで時の流れに溶け込むように消えていった。沢田は、愛情と幸福の裏に潜む運命の罠に気付かされ、問いかける。彼の愛は果たして真実のものなのか、あるいは永遠に閉ざされた幻影なのか。結局、彼は一生、時の牢獄に囚われたまま、その謎めいた愛と共に生きる運命を背負うこととなった。


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