あらすじ
ある寒い冬の朝、乗っていた飛行機は突如エンジントラブルに見舞われ、銀世界の雪山に激突した。生き残ったのは、木原美佐をはじめとする5人だけだった。混乱と凍える寒さの中、彼らは必死に自らの命を繋ぐ道を探し始める。
しかし、運命は残酷だった。美佐の親友である麻里は、墜落の衝撃で足を負傷し、雪に深く埋もれてしまう。仲間たちの不安が募る中、美佐と結城拓郎は、何としても麻里を救い出すため、手にしたスコップで雪を掘り起こす決意をする。だが、その瞬間、信じがたい悲劇が起こる。スコップが制御を失い、突然麻里の首に突き刺さると、彼女は静かに息を引き取った。
恐怖と罪悪感に打ちひしがれた美佐と拓郎は、すぐに山小屋へと逃げ戻る。しかし、小屋に戻った彼らを待っていたのは、説明のつかない怪異な現象だった。夜が更けるにつれて、雪山は不思議な輝きを放ち、風に乗ってかすかな声が聞こえてくる。まるで、亡き麻里が「助けて」と囁いているかのようであった。
美佐は、山小屋の片隅で古びた日記を見つける。そこには、かつてこの地で起こった惨劇と、救助に向かった者が必ず悲劇の結末を迎えるという呪縛の伝説が記されていた。日記に記された言葉は、まるで現実を映し出すかのように、彼女たちの運命を予言していた。
そして、最も衝撃的な瞬間が訪れる。拓郎の瞳が急に虚ろになり、彼は低く「逃れることはできない」という呟きを残すと、その身体は雪とともに溶け散るように消えてしまった。美佐は恐怖に凍りつき、次第に理解する。拓郎は、生き残りではなく、雪山の呪いに囚われた幻影でしかなかったのだ。
翌朝、救助隊がやっとのことで現れた時、そこに残されていたのは、破壊された山小屋と、消え去った足跡のみだった。美佐がふと、壊れた窓に映る自分の顔を見たとき、その瞳に映っていたのは、かつての麻里の温かな笑みであった。真実は、飛行機墜落で命を落としたはずの全員が、雪山の呪いによって永遠に彷徨う霊であり、現実と幻影の境界が曖昧になっていたのだ。
運命の皮肉と恐怖の真実。雪山は、今日もまた新たな犠牲者を求め、冷たく静かな亡霊の世界へと誘い込むのであった。

















































