あらすじ
あやは学校では「ここだけの話」が大好きな、注目を集めたい女子高生だった。しかし、友人たちには自慢のネタを「古~い」と一蹴され、心の奥に寂しさを抱えていた。ある日の放課後、帰り道でスマホに映った一つの広告が、彼女の運命を大きく変える。『ひみつをみのぞくのがすきなあなた。だれかにおしえたーいひみつがあるあなたへ』――その怪しげな宣伝文句に、あやはすぐさまサイトにアクセスし、『密告ネット』に入会した。
最初は、学校の教師の隠れた趣味や、クラスメイトの密かな恋愛模様など、ささやかな情報が集まるだけだった。あやは投稿を重ねるうちに、まるで自分が抜きん出た“探偵”になったかのような快感に浸り、匿名のユーザーたちとのやり取りに心躍らせた。夜ごとにサイトを巡る日々の中、あやの世界は次第に現実と虚構の境界を曖昧にしていった。
ところが、ある晩、あやの画面に表示された一つの投稿が、彼女の心を激しく震わせる。それは、あや自身が誰にも打ち明けたことのない、幼少期の痛ましい記憶と秘密を余すところなく記したものだった。驚愕と恐怖にかられたあやは、すぐにサイトの管理者へ問い合わせるが、返ってくるのは冷淡な自動返信のみ。混乱と不安の中、あやはサイト内に漂う情報の背後に、自分では想像もできない深い闇が潜んでいることを感じ始める。
決意を固めたあやは、真実を確かめるため学校へと向かった。そこで、いつも静かに彼女を見守ってきた担任教師と遭遇する。低い声で教師は告げた。「あやさん、あなたの秘密は最初から我々の記録にありました」。その言葉に、あやは衝撃を受ける。実は『密告ネット』は、あや自身が送信したデータと連動した監視システムであり、彼女の過去、現在、そして内面の闇を自動的に収集・再配布する仕組みだったのだ。
つまり、あやが密告して楽しんでいたのは、他人の秘密だけではなく、自らが無意識に提供していた情報でもあった。自分の秘密が次々と暴露される中で、あやは、あらかじめ仕組まれていた運命の罠に嵌められていたことを悟る。快感と恐怖、そして皮肉な結末の中で、あやは夕焼けに染まる校舎を背に、苦々しくも自作自演の運命に微笑んだ。

















































