海亀のスープ
うみがめのすーぷ

2025/3/26(水)

あらすじ

芝山泰治は、評判のレストランで出されたスープに期待を寄せ、一口すする。しかし、その瞬間、彼の表情は一変し、毅然と席を立って叫んだ。「これは海亀のスープじゃない!」と。彼の奇妙な反応に心を動かされた渋沢蘭子は、事件の真相を探るべく調査を開始する。調査の過程で、元船乗りであり、かつて芝山と共に遭難を経験した加藤二郎の存在に辿り着く。二人は、絶望の海上での生存を賭けたあの夜、命をつなぐために作り出したスープの秘密を知ることになる。それは、救助を待つ時間が許さなかったため、本来の海亀の肉ではなく、失われた仲間の命をもって味を偽装した、人の肉が混ざった恐るべきものであった。その忌まわしい事実は、芝山の心に深い罪悪感と苦悩を呼び起こし、彼は過去の闇に耐え切れず自ら命を絶ってしまったのだ。渋沢は、加藤の告白により全貌を掴むが、真実を公表すれば多くの犠牲が続出すると悟り、苦渋の決断で報道を封印する。果たして、人間の暗部が永遠の闇に葬られた今、真実は誰にも語られることはなかった。


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