あらすじ
のぞみは幼いころから、コーヒーに砂糖を入れすぎたり、料理に手厚く調味料をかけたりする癖があった。しかし、彼女にはもうひとつの悩みがあった。大阪弁を耳にするだけで、全身にじんましんが走るという不思議なアレルギーである。
ある日、大阪生まれの恋人が突然プロポーズ。のぞみは大きな愛とともに、彼の実家がある大阪への旅に出ることになる。胸の内は不安と期待で揺れる中、彼女はなんとか大阪弁を克服しようと、出発前からテキストや映像で必死に練習した。しかし、標準語と大阪弁が入り混じる彼女の口調は、どうにも上手くまとまらなかった。
実家に到着すると、温かく迎える家族の笑顔があったが、すぐに事態は一変する。恋人の父は、いわゆる「上方言語依存症候群」にかかっており、彼は大阪弁以外の言葉を聞くと命に関わるとされていた。家中が大阪弁で飛び交う中、のぞみは自分が受けるストレスと恐怖に、心も体も怯んでしまった。
夕食の席で、家族は大阪独特のリズムで談笑し、冗談を飛ばす。のぞみは、せめて自分も大阪弁で返そうと、暗記したフレーズを口にしようと試みたが、緊張のあまり、標準語と大阪弁が奇妙に混ざった独自の言い回しがあふれてしまった。その瞬間、部屋は一瞬の静寂に包まれ、誰もがその衝撃を感じ取った。
恋人の父は、驚いた表情からやがて大きく笑い出し、『おお、なんやこれ! 新しい大阪弁か?』と声を上げた。すると、家族は次々と笑いと賞賛の声をあげ、のぞみの不器用ながらも心のこもった発声を讃えた。彼女が生み出したその独特な語り口こそが、従来の大阪弁に縛られない新しい響きとして受け入れられたのだ。
その夜、のぞみは悟る。どんなに奇妙な言語の障害や体質の弱点も、みんなで支え合い、笑いに変えることで乗り越えられると。恋人の父も、「甘いものも大阪弁も、お前の魅力にかかってる。これからはみんなで新しい言葉で笑い合おう」と力強く宣言する。のぞみは涙と笑顔で応え、この奇妙な状況こそが家族の絆を深め、新たな自分を発見するきっかけとなったのであった。
こうして、のぞみは自らの砂糖の過剰な習慣と大阪弁アレルギーという二つの欠点を、家族みんなで笑い飛ばしながら、新しい生活の扉を開いていくのだった。

















































