ラッキー小泉
らっきーこいずみ

2025/3/26(水)

あらすじ

小泉太郎は、誰もが認める強運の営業部長で、彼の手がける案件はまるで奇跡の連続のように成功していた。周囲からは『ラッキー小泉』と呼ばれ、未来には次期部長としての期待さえあった。しかし、ある日のこと、オフィスの重い扉が静かに開かれ、全身に不運をまとった男、万年勝造が配属されてきた。彼が現れるたびに、プリンターは紙詰まりを起こし、会議室では突如停電が発生、外では奇妙な雨が降り注ぐなど、些細な不運が連鎖していった。

最初は笑い話に過ぎなかったが、次第に小泉の成功に亀裂が入り始める。案件が次々と失敗し、取引先からの信頼も揺らぐ中で、小泉は焦燥感に駆られ、勝造に真意を問いただす決意を固めた。夜のオフィスに取り残された二人。薄明かりの中、小泉は静かに問うた。「君は、一体何者だ?」

勝造は、どこか哀しげな笑みを浮かべながら告げた。「実は、ぼくは『逆運の番人』です。あなたの絶好調は、ぼくの終わりなき不運と共鳴していた。そのバランスが崩れた今、あなたの運は消え去ろうとしているのです。」

その瞬間、オフィス内の時計が狂い始め、パソコンやコピー機が次々に異常動作を起こす。外からは轟音と共に巨大な広告看板が落下し、混沌が一気に押し寄せた。小泉は、自らの成功が勝造という影の存在に依存していたことを痛感する。まさに皮肉な運命のいたずらだった。

そして、二人が協力して運命の均衡を取り戻そうと試みた矢先、さらなる災厄が襲い、会社全体が混沌の中に飲み込まれる。最後に残ったのは、幸運も不運も偶然の産物に過ぎないという、冷徹で笑い飛ばしたくなる現実の真実であった。


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