あらすじ
高校生のみゆは、路上の露店で見つけたどこか不気味なアクセサリーを身につけた瞬間、誰もが隠している心の声が聞こえるようになった。最初は友達の小さな不満や家族のささやかな本音に戸惑いながらも、その能力に次第に慣れていった。
ある雨の日、みゆは住むマンションのエレベーターに乗り込むと、突然装置が停止し、見知らぬ中年の男と二人きりの閉ざされた空間に取り残された。不安と緊迫感が高まる中、みゆは隣の男の心の声に耳を澄ませた。そこには、冷酷で計画的な殺人の記憶や、犠牲者への残酷な思惑が渦巻いているかのように感じられ、彼が連続殺人鬼であると確信してしまう。
恐怖に支配されながらも、みゆは男に内心で抗議の言葉を投げかける。しかし、男は静かに、そしてどこか哀しげにこう告げた。「その力は、決して他人だけのものじゃない」。その一言に、みゆの心は凍りつく。ふと過去の断片的な記憶が蘇り、ニュースで報じられた連続殺人事件と、自分が無意識に目撃していた映像が重なった。
エレベーターのわずかな明かりの中で気づいたのは、実は男の内面から聞こえていた恐ろしい「声」は、彼自身のものではなく、みゆが持つアクセサリーの呪いによって投影されたものだという事実だった。男はただの普通の住人で、パニックに陥っているだけだったのだ。
しかし、男の言葉がみゆの頭から離れなかった。自分が読み取っていた暗い声――それは、彼女の心の奥に封じ込められた忌まわしい秘密そのものだった。エレベーターのドアが外の世界を映し出した時、みゆは衝撃の真実に直面する。連続殺人の黒歴史は、世間が噂する他人のものではなく、長い間自分自身が押し込め、忘れ去っていた闇そのものだったのだ。
その瞬間、みゆは自分の中に潜む罪と向き合わざるを得なくなり、決して消えることのない恐怖と後悔が胸を締め付けた。

















































