あらすじ
近未来の世界。人口の急増が原因で、森林は次々と伐採され、酸素は枯渇し、有害なガスが大気を支配していた。政府は絶望的な状況を打開するため、人々を「整理」する非常措置に出た。役に立たない者と判断された国民には、淡い緑色の紙――『みどり紙』――が送付されるようになっていた。
その日、平凡でどこか生気を失ったサラリーマン、樽崎明のもとに、一通の封筒が届いた。封を切ると、見慣れない緑の用紙に刻まれた短い文字が彼を待っていた。まるで自分が社会から切り離された存在であるかのようなその通知に、明は恐怖と絶望に襲われる。突如として現状を打破すべく、彼は夜の街へと飛び出し、逃亡生活を開始する。
暗い路地裏や朽ち果てた駅舎の陰に身を潜めながら、明は同じように『みどり紙』を受け取った者たちと出会う。互いの不安を共有しながら、逃亡の手段を模索する中で、一つの噂が広まる。それは、実はこの紙は、政府が新たな環境再生プロジェクトへの参加者を募るための招待状であり、整理を意味するものではないというものだった。
疑心暗鬼と希望が錯綜する中、明は真相を確かめるために奔走する。そして、ついに逃げ場のない地下組織の一角で、彼は追手に囲まれる。絶体絶命の瞬間、謎めいた男が現れ、冷静な口調で衝撃の事実を告げる。実は『みどり紙』は、政府のシステムエラーにより一斉送付された誤通知で、本来の意味は環境再生プロジェクトへの志願者募集であったのだ。
恐怖に支配された逃亡劇が、ただの誤解と情報の混乱から生じた悲喜劇であったことを知った明は、自身の無力感と向き合う。皮肉な運命の中で、彼の一歩は社会に新たな風を呼び起こすきっかけとなった。こうして、みどり紙の物語は、絶望と希望、恐怖と再生が交錯する奇妙な寓話として幕を閉じた。

















































