あらすじ
舘野卓と久美子は、周囲から月とすっぽんと呼ばれるほど対照的な二人であったが、優しさと絆に満ちたカップルだった。ある日、古びたアルバムを整理している際、撮影当時には決して映らなかったはずの未来の自分たちの姿が写る一枚の写真を発見する。最初は偶然か何かの冗談だと思われたが、その後も写真は日々微妙に変化し、笑顔が次第に陰り、二人の孤独や苦悩が浮かび上がるようになった。
卓は、久美子に過酷な運命を味わわせたくない一心で、未来を明るくするために仕事に打ち込み始める。彼の熱意は、いつしか二人の生活の軌跡に影を落とし、久美子は彼の不在と疲弊に心細さを募らせる。一方、アルバムに記された未来は、いつしか二人が別々の道を歩む、悲しみに満ちた運命そのものとなっていった。
そして運命の夜、久美子は静かにその場を去る。残された卓は、変わり果てた写真を前に、すべての努力がかえって大切な現在を奪い、孤独な未来を自ら招いていたことに気づく。彼が必死で未来を変えようとした結果、運命は既に刻まれており、皮肉にも写真はその真実―自らの選択で確定してしまった離別と孤独―を永遠に映し出していたのだった。

















































