夢男
ゆめおとこ

2025/3/26(水)

あらすじ

ミドリは毎晩、意味不明な悪夢にうなされる日々を送っていた。夢の中に浮かぶぼんやりとした男の顔は、鮮明でありながらも記憶の中であいまいに溶けて消える。その不安を解消する一助として、ある日の講義で『夢には隠されたメッセージがある』という言葉に心を惹かれた。恐る恐るも、彼女はイラストソフトを使い、断片的な記憶から男の顔を再構成する。そして軽い気持ちでTwitterに「この男が夢に出てきます。助けてください」と投稿した。翌朝、投稿は予想を超える反響を呼び、友人たちも次々と同じ男の幻影について語り始める。噂に興味をそそられたミドリは、周囲の証言をもとに男の痕跡を探り始める。調査を進めるうち、彼女は不思議な事実にたどり着く。夢に現れる男は、決して外部の存在ではなく、人々の内面に潜む恐怖や未解決の感情が形を成した幻影であった。そして、投稿が無意識の暗示として全員に影響を及ぼし、集合的な幻覚を引き起こしていたのだ。最後の夜、ミドリは夢の中で男と対峙する。男は、にっこりと淡い笑みを浮かべ「あなたが恐れていたのは、いつも自分の中にあった影だ」とささやく。現実と夢の境界が完全に消えた瞬間、ミドリは自らの内面と向き合い、恐怖を乗り越える決意を新たにするのであった。


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