あらすじ
ある雨の夜、ひとりの結城直也は、重苦しい路地裏で笑みを浮かべる怪しげなせーるすまんと出会った。せーるすまんは、にこやかに『こうふくのわらにんぎょう』を差し出し、「このにんぎょうが痛ければ、あなたも痛む。熱ければ、あなたにもその熱さが回る。もしこれを安全に保つことができれば、あなたは不死となる」と囁いた。好奇心と希少な希望に心を動かされた直也は、即座に人形を購入する。初めのうちは、常に人形を抱いていることが幸福感をもたらし、まるで奇跡を手に入れたかのような感覚に満たされた。しかし、日々経過するにつれ、人形の状態に異常が生じるたびに、直也自身にも耐えがたい痛みや熱が走るようになった。友人たちが心配を重ねる中、直也はついに人形を常に携帯するのではなく、安全な場所に保管する決断を下す。だが、封印したはずの箱を開けると、そこには微妙に動く影が――人形が跡形もなく消えていたのだ。夜ごと、家中に漂うかすかな人形の気配に、直也の身体は次第に蝕まれていく。ある朝、鏡に映る自分の姿を見た直也は、手や顔がまるでわら細工のように変貌していることに気づく。恐怖と絶望の中、その時初めて悟った。人形の「不死」の約束は、実は呪いであり、その代償は自らの存在そのものを失うことにあったのだ。結局、直也は不死ではなく、永劫に苦悶と狂気の中を彷徨う呪われた存在へと変わり果て、かつての希望は、恐るべき結末の皮肉として、闇に飲み込まれていった。

















































