雨に濡れて露恐ろしからず
あめにぬれてつゆおそろしからず

意味

2024/10/5(土)

大きな苦難を経験した者は、少しぐらいの困難は気にならないということ。

あらすじ

雨の中の勇者

昔々、ある小さな村に、何でも恐れず挑戦する勇者が住んでいました。彼の名はタクミ。タクミは数年前、大嵐の中で家族と共に山奥に閉じ込められ、命からがら生還した経験を持っていました。そのため、彼はどんな困難にも立ち向かうことができると自負していました。

ある日、村に謎の男が現れ、タクミに「今晩、村の周りを歩いていると金銀財宝が手に入る」と言いました。しかし、その財宝を得るためには、大雨の中を通らなければならないというのです。村人たちは心配し、恐れをなしてタクミに止めるように懇願しましたが、彼は微笑みを浮かべ、「私は雨に濡れたくらいで何も怖くない。行ってみせる!」と意気揚々と出発しました。

しかし、雨が降り続く中、タクミは滑りやすい道で転んで泥だらけになり、果てしなく続く山道を歩くのは思った以上に苦痛でした。「あぁ、これがあの男の狙いか」と気づいたとき、彼は転んだ拍子に思わず涙を流しました。かつての大嵐の経験とは明らかに違う、冷たい雨と重い靴に翻弄されながら、笑うに笑えない姿になってしまったのです。

その頃、村に残った人々はタクミを心配しながらも、彼が無事に戻ると信じていました。「彼が雨に濡れたからこそ、少しぐらいのことは気にならないんだろう」と言い合っていました。しかし、実際にはタクミはすっかり疲れ果て、ようやく村に戻る頃には彼の「勇気」という名の砂は、泥水の中に消えてしまっていたのです。この出来事は村の人々に、困難はそれぞれ違い、時にはその影には厳しい現実が潜んでいることを教えてくれたのでした。


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