あらすじ
明日は明日の風が吹く
ある町に、いつも心配でいっぱいの男、吾郎が住んでいた。彼は些細なことでも不安になり、明日の天気、仕事の行方、さらには家族の健康まで、考え始めると夜が明けてしまうほどだった。そんなある日、彼は友人の大輔と居酒屋で飲んでいると、「明日は明日の風が吹く」と、ナンパな言葉を言われた。悟郎は、その言葉を聞いて、心配性の自分を少しだけ恥ずかしく感じた。
飲みすぎて帰宅した吾郎は、次の日の出勤が不安で仕方なく、夜中に目を覚ました。すると、窓の外で風吹き荒れる音が聞こえてきた。「ああ、明日の風が吹くって本当だな…」とふと思ったのも束の間、急に悪い予感が襲った。もしこれが嵐だったらどうなるのか、もし出勤途中に事故に遭ったら、もし、もし、もし…。恐怖にかられた吾郎は、夜が明けるまで眠れなかった。
その翌朝、風は思ったよりも静かだった。しかし、彼が外に出ると、家の近くで犬の群れが大暴れしていた。「危ない!」と叫びながら避けようとした彼は、見事に転倒。しかし、彼はその瞬間に気づく。犬たちの騒ぎを楽しむ近所の人々や、同僚たちの笑い声。自分が心配していたことが、実はそれほど大騒ぎではなかったのだ。心の中の緊張が薄れるのを感じ、吾郎はふと笑ってしまった。
その日、彼は「明日は明日の風が吹く」と言って友人たちに話した。みんなはこれみよがしに笑い、「そうさ、でもたまには風が吹き荒れることもあるからな!」と返した。吾郎は笑いながら、「それもいいかもな」と思った。結局、何が起ころうとも、心配ばかりしていても仕方がないと悟ったのだ。風が吹くのなら、どんな風が吹こうとも、明日を楽しみに生きていこう、と決意したのだった。









