陰陽師身の上知らず
おんようじみのうえしらず

意味

2024/10/5(土)

陰陽師とは占いをつかさどった役人、または占い師のこと。陰陽師は他人の吉凶を占いながら、自分の運命はわからないものだということ。他人のことはよくわかるが、自分のことはわからないたとえ。

あらすじ

陰陽師と運命の矛盾

ある小さな村に、名高い陰陽師の阿倍晴明が住んでいました。村人たちは彼に占いを頼み、自分の未来を知ることに夢中になっていました。晴明は日々忙しく、村人たちの運勢を見極め、吉日や凶日を伝えていました。しかし、彼自身の運命については何も知る余裕がありませんでした。

ある日、村に一人の旅人が訪れ、晴明に占いを依頼しました。彼の運勢を占った晴明は、思いもよらぬ凶兆が出たことに驚愕しました。「お前の未来には、蛇に噛まれる運命が待ち受けている」が、と言うと、旅人は咄嗟に「どうしてそんなことがわかるのに、あなたは自分自身の未来をどうにかしないのですか?」と疑問を投げかけました。

晴明はその言葉に詰まり、はっとした表情を浮かべました。「確かに、他人の未来を占うことには長けているが、自分のことは全く解らない」と、彼は自嘲気味に笑いました。旅人はその言葉を聞いて、晴明に「それなら、自分の運命を占ってもらえば?」と提案しましたが、晴明は首を振りました。「身の上知らずを痛感するのが恐ろしいのだ」と、彼は悩みを抱えたままでした。

その夜、村の広場で祭りが開かれ、村人たちは楽しんでいました。晴明も参加し、皆と共に笑顔を交わすうちに、自身の運命から一時的に目を背けることができました。しかし、心の奥底では、彼の運命の蛇が待っていることを知っていました。陰陽師として他人を導くことはできても、自分自身の道は自らの手で切り開くものであると、彼は静かに思いを巡らせていました。そして、彼は新たな決意を胸に、明日から自分自身の運命を真剣に見つめ直すことを誓ったのでした。


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