網のうて淵を覗くな
あみのうてふちをのぞくな

意味

2024/10/5(土)

網を持っていないのに魚をとろうと淵をのぞいてはいけないということから、①十分な用意がなくては、ものごとはうまくいかないという教え、②努力をしないで人をうらやんではいけないという戒め、の二つの意味を持つ。

あらすじ

網のうて淵を覗くな

ある小さな村に、漁師の男が住んでいた。彼は毎日海に出て、魚を捕って生計を立てていた。しかし、ある日彼はひどく貧しいフリーターの隣人に言われた。「なぜ君はいつも海に出ているのか?もっと楽な方法があるだろう。たとえば、淵を覗いているだけで魚を捕まえられるのでは?」

男はその言葉を真に受け、次の日から淵を覗くことに決めた。漁網も持たず、ただ空いている手で深淵を見つめる。彼は自分が選ばれた特別な人間だと勘違いし、魚たちが自分のために飛び跳ねる夢を見始めた。しかし、現実は厳しかった。結局、彼が手にしたのは、淵の底に沈んだゴミとさびれた釣り針だけだった。

村人たちは彼の愚行を笑い、彼をからかうようになった。特に隣人は彼の行動を見て、「網もないのに、魚が現れるわけないよ」と嘲笑った。男は悔しくてたまらず、徐々にうつ症状に陥る。彼の心は、まだかまだかと待ちわびる淵の呪縛に囚われ、ついには村の厄介者になってしまった。

ある晩、彼はついに堪忍袋の緒が切れ、淵の中に飛び込む決意をする。彼は「網などなくても、魚は俺のものだ!」と叫びながら飛び込み、しかしたちまち水に飲まれてしまった。村人たちは、この物語を語り継ぎ、「網のうて淵を覗くな」と教訓を残した。それは、無策で夢を見ることの危険を、ユーモアを交えて示すものとなった。


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