あらすじ
鬼と約束
ある日、小さな村の外れに住む若者、太郎は、自分の家族を守るために鬼に頼むことを決心しました。村では、鬼が若者たちをさらって食べるという噂が広がっており、村人たちは毎日怯えて暮らしていました。しかし、太郎は村の皆を守るために、逆に鬼と友達になれば、平和が訪れるのではないかと考えたのです。
太郎は鬼の住みかへ向かいました。山を越え、森を抜け、やっと辿り着いたのは、巨大な岩に囲まれた暗い洞窟。緊張しながら中に入ると、目の前にはすっかり大きな鬼がいました。鬼は太郎を見下ろし、「何の用だ?」と低い声で尋ねます。太郎は心を落ち着けて、「あなたにお願いがあります。私たち村人を食べないでください」と、一生懸命に頼みました。
その瞬間、鬼は驚いた顔をしました。「頼むとは、珍しい。普通は私が食べると言うのに」と、鬼の目がキラリと光ります。そして、太郎の言葉が思っていた以上に響いたようで、「そうか、お前が頼むなら食べないことにしてやろう」と、鬼は答えました。太郎は、その答えに内心安堵し、自分の思惑が正しかったことを嬉しく思いました。
それからというもの、鬼は村を襲うことはなくなり、太郎は村のヒーローとなりました。村人たちは鬼に感謝することはなかったものの、太郎の「頼む」という一言が鬼の心を変えたことをしっかりと感じていました。こうして、鬼と村人はお互いに尊重し合う新しい関係を築くことができ、平和な日々が続いたのでした。















