あらすじ
鬼に瘤を取られた村
昔々、山あいの静かな村に「こぶじいさん」と呼ばれる翁が住んでいました。彼は大きなこぶを背負いながらも、村人たちに愛されている優しい翁でした。ある年、村に大干ばつが襲い、作物は枯れ、村人たちは苦しい生活を余儀なくされていました。翁は心を痛め、村人たちを助ける方法を見つけようと奮闘しました。
ある日、翁は山のてっぺんで鬼たちの酒盛りの噂を耳にしました。「鬼にこぶを捧げれば、豊かさをもたらしてくれるかもしれない」と思った翁は、勇気を出して鬼の宴に向かいました。彼はその提案を鬼たちに持ちかけました。「私のこのこぶをあなたたちに奉げます。その代わり、村に豊穣をもたらしてほしい」と。
鬼たちはその提案に大笑いしましたが、こぶじいさんの真剣な眼差しに心を動かされ、彼のこぶを取ることにしました。宴の後、鬼たちは翁に感謝し、村に雨を降らせて作物を育てる力を授けてくれました。翁は痛みを伴う思いでこぶを失いましたが、その瞬間、周囲が美しい光に包まれ、鼓動のような大地の声が響き渡りました。
村に豊作が訪れ、村人たちは大歓声を上げました。翁は自分のこぶが村に恩恵をもたらした事実に気づきました。「鬼に瘤を取られる」ということわざの意味を理解し、彼は幸せな微笑みを浮かべました。彼の犠牲が村に豊かさをもたらしたのです。翁は、益を得た村人たちとともに幸せに暮らし続けました。















