あらすじ
不変の主
ある町に、不気味な洋館があった。この洋館には、何十年も同じ住人が住んでいた。彼の名前はトム。彼は自称「不変の心」を持つ男で、どんなに周囲の人々が変わっても、彼自身は変わることがないと自慢していた。
トムの近くには、毎年新しい住人が引っ越してきては、数ヶ月後に怯えて逃げ出していくという、恐ろしい噂があった。それは、トムの趣味が奇妙なものであり、彼の心の中で形成された不変の世界が人々を圧倒していたからだ。トムは自分の部屋に大量の人形を集め、毎晩その人形たちとお茶会を開くのが日課だった。そして、彼らに人生のあらゆることについて相談するのだった。
ある日、新しい住人として若い女性のサラが引っ越してきた。彼女は他の住人たちの噂を無視し、「きっと大丈夫」と前向きに考えていた。ところが、トムの不変な日常に巻き込まれると、次第にその幻想に飲み込まれていく。彼女はいつの間にか、自分も人形たちの一員になっていることに気づく。しかし、トムはその事実に全く気づいていなかった。彼にとって、サラもまた、ただの新しい「相談相手」に過ぎなかったのだ。
結局、何度も住人は変わったが、トムの心だけは永遠に変わらなかった。彼は再び新しい人を迎え入れ、その人形たちと共に日々を楽しむ。町の人々がいくら避けようとも、彼の不変の心は、まるで呪いのように続いていく。時が経てば、サラの姿も人形の一部として溶け込むのであった。「相手変われど主変わらず」を体現する不気味なトムの洋館の日常は、静かに続いていた。









