あらすじ
阿弥陀の光も銭次第
ある町に、小さな寺がありました。この寺の住職、善行は真面目で慈悲深い男でしたが、一方で裕福になることを夢見ていました。彼は「阿弥陀さんのおかげで、もっとたくさんのお金が欲しい」と考えるようになり、いつしかその念が強くなっていきました。
ある日、善行は村の富豪、金持ちの太郎に相談することにしました。「阿弥陀の光は、やはりお金によって強まります。何か特別な道具を作れば、たくさんの人が集まり、寄付が増えるかと…」と提案しました。太郎は笑いながら、すでに金運を引き寄せるお守りを持っていると言い、善行に「投資も神頼みの一つだ」と教えました。
善行はこれを受けて、寺の本堂にお金を吸い寄せる「金の阿弥陀様」を作ることに決めました。立派な金色の仏像を専属の彫刻家にお願いし、人々を引き寄せるために派手な祭りを開催すると発表しました。寺は瞬く間に人々で溢れ、善行の口座も順調に増えていきました。彼はかつてないほどの幸福感に浸ったのです。
しかし、ある夜、金の阿弥陀様を祀る祭りが終わった後、善行は夢に阿弥陀仏が現れ「お金のために私を売り渡すな」と告げられました。目が覚めた善行は、全ての人に『阿弥陀の光も銭次第』とは言えなかったと反省しましたが、人々はお金を手放す気がなかった。そして、彼は当然のように、自らの信念を売り渡したまま、ついには全てをお金に変えることを選んだのです。金持ちであることは、青春を失った代償でもあったのかもしれません。









