あらすじ
勝って兜の緒を閉めよ
ある町に、ちょっとした戦争が起きた。町の住人たちは、隣の村と果てしない争いを繰り広げていた。ついに町は勝利を収め、村人たちを追い払った。喜びに満ちた町民たちは、勝ち誇って酒を酌み交わした。しかし、彼らの喜びは長くは続かなかった。
町の英雄、勇者の太郎は、勝利の宴でうっかりと「これで安心だ!」と口にした。その瞬間、酒樽から飛び出してきた酒の精霊が、彼の耳元で囁いた。「そんな油断してると、村の連中が戻ってくるぞ」。太郎はその言葉を軽くあしらったが、翌晩、彼の夢には村人たちが次々と襲いかかってくる光景が現れた。
目が覚めた太郎は、夢にうなされたまま居心地の悪さを感じていた。ふと思いついた。自分の兜の緒をしっかりと結ぶことで、戦いの準備をするのだ。ところが、勇者としての責任感から、彼は居酒屋で酔っ払った仲間たちに兜を貸し出していた。その結果、いざという時に自分の兜が見当たらなくなり、もはや緒を締めることすらできなくなってしまう。
数日後、村人たちが戻ってきた。町の住人たちはまだ油断しており、酒場で宴を続けていた。太郎は急いで兜を探し回ったが、見つけることができなかった。犬のように逃げ惑う太郎を見て、村人たちは笑い転げた。「勝ったと思ったら、兜の緒を閉め忘れた。さて、次は君の町がどうなるかわかってるよね」と、皮肉を交えて攻め込んできたのだった。












