あらすじ
川立ちは川で果てる
ある小さな村に、伝説の釣り名人、老いた漁師のタケルが住んでいました。タケルは幼い頃から川の流れを知り尽くしており、多くの村人から尊敬されていました。彼の釣りの腕前は天下一品で、村の祭りでは必ず彼が釣った魚がメインディッシュとなりました。しかし、そんな彼にも一つの欠点がありました。それは、自信過剰なところでした。
ある晴れた日、彼は村の若者たちに自らの腕を見せつけようと思い立ち、「今日こそは、川の一番深いところで大物を釣ってみせる!」と豪語しました。若者たちは彼の言葉に拍手しながらついていくことにしました。しかし、若者たちが「気をつけてください!」と心配する声も耳に入らなかったタケルは、川の深いところへと進んでいきました。
到達した深い川の淵で、タケルはすぐに竿を出しました。しかし、釣りを始めてしばらくすると、次第に流れが急になり、足元が滑りやすくなってきました。それでも自信満々のタケルは、釣りに夢中になり、周りの危険をまったく考えませんでした。案の定、彼は釣り上げた大きな魚に引きずられる形で川に転落してしまいました。
若者たちは慌てて川に駆け寄り、タケルを助けようと叫びました。しかし、流れはなかなか激しく、タケルは必死で泳いでいました。幸いにも、あきらめずに向かってきた若者たちが、彼を引き上げることに成功します。岸に戻ったタケルは、自分の油断を反省し、「川立ちは川で果てる」という教訓を噛み締めました。それ以来、タケルは自分の技術に自信を持ちつつも、自然の力を敬うことを忘れないように心がけるようになったのです。












