あらすじ
画竜点睛を欠く猫
ある小さな村に、絵を描くのが大好きな青年、太郎が住んでいました。太郎は素晴らしい才能を持っていて、村人たちからは「絵描きの天才」と呼ばれていました。特に、彼の描いた龍の絵は評判で、いつかその龍に命を吹き込むことを夢見ていました。
ある日、太郎は大きな龍の絵を描くことに決めました。その絵は村の広場に展示する予定です。彼は何日もかけて、見事な龍を描き上げました。しかし、最後の仕上げである「目」を描くことをためらってしまいました。「この目を描いてしまったら、龍が空を飛んで行ってしまうのではないか」と不安になったからです。
そこで、太郎は「もう少し待とう」と思い、目を描かないまま広場に絵を展示しました。村人たちは絵の前に集まり、その美しさに感動しました。しかし、太郎は自分の中の不安を拭えず、どうしても目を描く勇気が出ませんでした。すると、村の猫、ニャーが近づいてきて、龍の絵の前でじっと見つめました。
ニャーは小さな声で「この龍には目がないから、飛べないよ!」と言いました。太郎はその言葉に目を覚まし、ついに龍の目を描くことに決めました。筆を動かすと、絵には命が宿り、まるで龍が躍動し始めるようでした。村中が歓声を上げ、龍が空に飛び立つ様子を見ました。こうして、太郎は「画竜点睛を欠く」ことなく、真の絵描きとして認められました。そして、ニャーはその日の親友として、太郎の作品を見守ることになったのです。












