木石に非ず
ぼくせきにあらず

意味

2024/10/5(土)

木や石は感情を持っていないが、人間はそれらとは違って感情豊かであるということ。

あらすじ

木石に非ず

ある小さな村には、非常に無表情で冷淡な男、源八(げんぱち)が住んでいた。村人たちは彼のことを「木石のようだ」と陰口を叩いていた。源八は誰とも会話を交わさず、いつも同じ地点に立って、村の風景をじっと見つめるだけだった。

ある日、村に大きな祭りがやってきた。楽しい音楽や食べ物の香りが辺りに広がり、村人たちがわいわいがやがやと盛り上がる中、源八だけは相変わらず無表情で立っていた。村人たちは祭りの盛り上がりとは対照的に、源八が何も感じていない様子を見て、「ついに彼の心臓が木か石になってしまったのではないか」と笑いながら話し合った。

ところが、祭りの終わりに突然大きなカラクリが壊れてしまい、舞台の上で踊っていた女の子の一人が転んでしまった。その瞬間、村人たちの歓笑がピタリと止まった。源八だけはその場に駆け寄り、彼女を抱き上げて、「大丈夫だ、心を保て」と言った。村人たちは驚愕し、源八のまさかの人間らしい行動に目を丸くした。

その後、源八は再び冷たく無表情な男に戻ったが、村人たちは心の奥底に彼の一瞬の優しさを抱えながら、「やっぱり木石に非ずだ」と言い合った。源八の行動は謎めいたままで、村人たちの心には彼が時折見せる温かさと、普段の冷酷さとのギャップが深く刻まれたのだった。笑いあり、驚きありな村人たちの話のネタは尽きることがなく、源八は永遠に「木石の男」として語り継がれることになった。


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