あらすじ
禍福は己による
昔々、小さな村にタロウという男が住んでいました。タロウはいつも不運だと嘆き、村人たちに自分の不幸を話しては同情を引いていました。ある日、タロウは村の広場でお金持ちの商人が大きな袋を持っているのを見かけました。「あの商人は運がいい。自分のように苦しむことはないのだろう」とタロウは思いました。
しかし、村に住む賢者であるオジイが、タロウの横を通り過ぎるときに、彼に注意しました。「タロウ、そのことばかり考えながら生きていたら、本当の幸せは手に入らないぞ」。タロウはオジイの言葉を無視し、ますます自分の運の悪さを責め続けました。すると、周囲の村人たちは徐々にタロウから離れていき、彼は孤独に陥りました。
ある日、タロウは村の外で小道に座っていると、突然、落ちてきた果物が彼の膝の上に転がってきました。果物を食べると、意外にもその味は素晴らしく、タロウは今までの不幸が少し和らぎました。「もしかしたら、少し見方を変えれば、私にも良いことがあるかもしれない」と思い始めたのです。彼は村人たちを招いてパーティを開き、幸せを分かち合うことにしました。
タロウの変化は村人たちに伝わり、彼の周りには人々が集まりました。タロウは、過去の不幸ではなく、今この瞬間を楽しむことに気づいたのです。オジイの言葉を思い出し、彼は「禍福己による」という真実を理解しました。結局、幸せも不幸も自分自身の心が作り出すものであると。村は再び笑い声に溢れ、タロウは真の幸せを見つけたのでした。












