借りる八合済す一升
かりるはちごうなすいっしょう

意味

2024/10/5(土)

八合借りたら一升にして返せの意で、人から品物を借りたら、必ずお礼を添えて返すのが借りた者としての心得であるという教え。

あらすじ

物語:返すはずが…

ある小さな村に、慎ましやかな農夫の太郎が住んでいました。彼は必要最低限のものだけで生活し、品物を貸し借りすることを厭わない正直者でした。ある日、隣村の大きな農家の次男、次郎がやって来ました。「太郎さん、実は稲が枯れてしまって、どうしてもお米が必要なんだ。八合貸してくれないか?」と頼んできました。

太郎は悩みましたが、次郎が大きな農家の息子であることを考え、「できればお返しは一升でね」と言い残し、八合を貸しました。次郎はこれ幸いとばかりにお米を受け取り、感謝もそこそこに急いで帰っていきました。しかし、次郎はその後、お米を返すことをすっかり忘れ、村の仲間と遊びに興じてしまいました。

数ヶ月後の収穫祭、次郎は豪華な食事を振る舞いましたが、太郎の姿は見当たりません。太郎はお米を貸したことを気にしており、せっかくの祭りなのにお誘いすら受けていませんでした。次郎は自らが貸してもらった八合のお米で贅沢に楽しんでいる一方、太郎は自分の田んぼで少しずつ育てた稲で、静かに食事をする毎日を過ごしていました。

そして、秋が深まったある日、太郎は近所の人々に交じり、次郎のところへ米を返しに行こうと決心しました。「借りた八合はお礼とともに」と誓い、精一杯の感謝の気持ちを伝えました。ところが、次郎は「ああ、随分前にそのことは忘れていたよ。量は考えないでくれ」と笑って受け取る始末。太郎の心には、借りることの大切さが更に深く刻まれ、借りた者としての心得を改めて胸に刻むこととなりました。


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