あらすじ
白髪三千丈
むかし、ある小さな村に「白髪屋」という名の長老が住んでいました。彼は村一番の老いぼれで、白髪が三千丈もあると噂されていました。長老は、村人たちからの悩み相談を受けるのが好きで、毎日彼のもとにはさまざまな愁いを抱えた人々が訪れました。
ある日、一人の若者がやって来て言いました。「長老、私は恋人に振られてしまいました。どうすればこの悲しみから逃れられるのでしょうか?」長老は深いため息をつき、こう答えました。「そんな悲しみなど、ただの白髪に過ぎん。涙を流す日々が、君の髪を白く染め上げるのだ。」若者はその言葉に考えを巡らせ、彼の白髪の秘密をさらに知りたいと思いました。
数日後、村に大嵐が襲いかかりました。人々は不安になり、長老のもとに集まりました。「長老、私たちの田畑が壊れたらどうなるのですか?」と村人の一人が尋ねました。すると長老は笑いながら言いました。「大したことではない。畑が壊れれば、心に白髪が生えるのみ。どれほどの白髪でも、風に吹かれて飛んで行くことはないから安心しなさい。」
村人たちは長老の言葉に妙に安心し、逆に心が軽くなりました。しかし、その光景を見ていた若者は、長老の白髪が増えるにつれてその意味を深く理解しました。「白髪屋の髪は、彼の悲しみの証である」と。彼は長老を一番の賢者と認め、その教えを胸に刻んだのでした。こうして村人たちは、白髪三千丈の長老を今後も慕い続けることになるのでした。









