あらすじ
花の下より鼻の下
むかしむかし、小さな村に和尚の住んでいるお寺がありました。和尚は花が好きで、春になると村の人たちに桜の木の下でお茶会を開くことを楽しみにしていました。しかし、その一方で、和尚の腹はいつも空っぽ。美しい桜の下でお茶を飲んでも、お腹が満たされなければ心から楽しむことができません。
ある日、和尚が村人たちを招いてお茶会を開くことにしました。彼は、いつも通り桜の下に座り、花を愛でるための和菓子を準備しました。しかし、準備中に和尚の鼻を通り過ぎた香ばしい香りに気づきました。それは、隣の農夫が焼いた新鮮な焼き芋の香りだったのです。和尚の心はそちらへととらわれていきました。
お茶会の最中、和尚は参加者たちとともに美しい桜を楽しむことができましたが、そのたびに焼き芋の香りが鼻をくすぐり、心からの楽しみを味わうことができませんでした。「花の下より鼻の下」とつぶやきながら、和尚はついに耐えきれずに焼き芋を求めて農夫のもとへと足を運びました。
農夫は優しく焼き芋を分けてくれ、和尚は感謝の気持ちを込めてその味を楽しみました。焼き芋が口に入ると、腹も心も満たされ、和尚は思わずにっこり。お茶会は盛り上がり、皆で焼き芋を楽しむことになりました。花よりも食の幸せに気づいた和尚は、それ以降、花の下で食べる楽しみを忘れないことを誓いました。









