あらすじ
疾風と勁草
ある街に「黒い風車」と呼ばれる奇妙な店があった。この店は、風の強い日には特別な料理が提供される。その料理を食べた客は、次の日に運命的な出来事が起こると噂されていた。しかし、その料理にはひとつだけ致命的な欠点があった。それは「食べた次の日には、必ず誰かが不運に見舞われる」というものである。
ある日、好奇心旺盛なサラリーマンの田中が、同僚の勧めで黒い風車を訪れることにした。外はまるで嵐のような強風が吹いていた。田中は「これが運命の転機になる」と期待に胸を膨らませ、強風にも負けず店に飛び込んだ。料理を一口食べると、なんとも言えない不気味な後味が口の中に広がったが、彼は我慢して平らげた。
翌日、田中は出社するために家を出ると、道端で盛大な犬のオナラをくらい、思わず足を滑らせて転倒した。通りかかった女性が笑い転げる中、田中はその場での屈辱に悶えた。しかも、その直後に友人から「仕事がクビになった」との連絡が。惨めさの中で「やっぱり、強い人と弱い人はこういう時にこそわかるんだな」と心の中で思った。
しかし、田中はその日は数々の災難に見舞われたにもかかわらず、最後には街の人気コンテストに参加することになった。見事に優勝を果たし、何とその賞金で新車を購入することに成功した。帰り道、風にあおられながら田中は「疾風も勁草を知る」、そして「運が向くのは、自分の屍を越えた先にある」と強気で思い直した。結局、ブラックユーモアのような運命の中で、彼は人生の新たな一歩を踏み出すことになったのだった。









