あらすじ
曲がった枝の物語
ある静かな村に、正直者として名高い大工のタケシが住んでいた。彼はまっすぐな木を選び、完璧な家具を作ることに情熱を注いでいた。村人たちはその技術を讃え、タケシの屋外のワークショップにはいつも人々が集まってきた。しかし、タケシの息子、カズオはまったくの正反対だった。彼は小さい頃から嘘をついたり、いたずらをしたりして、周囲を困らせていた。
タケシは、カズオを育てるために情熱を注いでいたが、彼の努力は無駄に終わった。カズオはまるで不正の化身のようで、村の果樹園から果物を盗んでは笑いながら逃げていた。そんな彼を見て、タケシは「直き木に曲かる枝」ということわざを思い浮かべた。しかし、どこか納得がいかない。この「曲がった枝」は、全く自分の道を外れた方向に曲がっているのだから。
ある日、村の集会で村長が大騒ぎしていた。村の大祭りで、誰もが待ち望んでいたケーキが盗まれてしまったのだ。村人たちは怒り、タケシも心を痛めた。そして、カズオに目を向けた瞬間、彼はカズオの手にワゴンがあるのを見つけた。振り返ると、その中には盗まれたケーキがあった。村人たちは一斉にカズオを取り囲み、彼は無邪気な笑みを浮かべた。
タケシは、息子が重大な間違いを犯していることを知りながら、何とか弁護しようとした。しかし、カズオの顔を見ていると、彼がまっすぐに進んでいくことは決してないという真実を受け入れざるを得なかった。結局、村人たちはカズオを大祭りから追放することに決め、タケシは自分の存在を恥じるしかなかった。「まっすぐな木」とは言え、まるで堂々とした「曲がった枝」を捨てられたようだった。

