人を謗るは鴨の味
ひとをそしるはかものあじ

意味

2024/10/5(土)

他人の陰口を、言うのは快いものであるということ。

あらすじ

鴨の宴

村の小さな酒場では、話好きの村人たちが集まり、酒を酌み交わしていた。その酒場の一角で、いつも一人でお酒を飲む陰気な男、太郎がいた。彼は村人たちが何を話しているのかを聞き耳を立てるのが好きで、特に他人の悪口を聞くと、まるで特別な料理を味わうかのように目を輝かせた。

ある晩、酒場で開催される「鴨の宴」の準備が始まった。村人たちは自慢の鴨料理を持ち寄り、食べるだけでなく、同時に他人の陰口を話すことが恒例となっていた。それを見た太郎は、ニヤリと笑いながら心の中で誓った。「今夜は、誰が一番美味しい陰口を持ち寄れるかを見てやる」。

宴が始まると、話題は次々に盛り上がり、村人たちはそれぞれの鴨料理の味と共に、他人の失敗や秘密を明かしていった。「あの女、実は鳥恐怖症だって!」と言えば、皆が大笑いし、次に「そういえば、あの男が家で鴨を育てているってのは本当か?」と続けば、酒が進むにつれてさらに話はエスカレートした。太郎はその様子を見て、自分も何か言わなければという焦りに駆られた。

しかし、出口のない自己満足に浸かっていた太郎は、思いも寄らぬ結果に直面することになる。宴の最後に、全員が太郎の料理を試食した際、村人たちは一斉に顔をしかめた。「これは、何の肉だ? 鴨にしては旨味がないぞ」。太郎は驚愕し、自分が陰口を楽しみすぎたあまり、悪口の中身を反芻することに夢中になり、自分が調理したことを忘れていたのだった。村人たちは笑いを堪えながら、真実を知ることとなる。

結局、太郎は村から孤立し、酒場には再び戻ることができなかった。彼の料理は最後の鴨料理として、誰もが忘れることのない悪夢となった。そして、ことわざ「人を謗るは鴨の味」を思い出す村人たちは、舌を打ちながら、他人のことを話す時には、注意が必要だと心に誓ったのであった。


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