あらすじ
七年の病と三年の艾
ある村に、長らく病に悩まされている男がいました。彼の名は辰夫。辰夫は七年間も苦しい症状に苛まれていましたが、いつもその痛みや辛さを忘れようと、酒や遊びに明け暮れていました。村人たちは彼を心配し、何度も「しっかり治療すべきだ」と忠告しましたが、辰夫は笑って耳を貸しませんでした。
ある日、辰夫は村の噂を耳にしました。「近くの山で、三年乾燥させた上等のもぐさが見つかった」というのです。彼はその話を聞いて急に焦り始めました。「これがあれば、私の病も治るかもしれない」と思い立ち、すぐに山へ向かいました。しかし、辰夫は過去七年間の怠惰と無関心のツケが回ってきたのか、すぐに体を壊してしまいました。
山にたどり着いた辰夫は幸運にももぐさを見つけましたが、疲れ果てて倒れ込んでしまいました。「三年の艾があっても、今さらあまり意味がないのでは」と、自嘲気味に笑いました。それでも彼は、もぐさを手にしようと必死に這いつくばりながら思いました。「七年の病に気づいたのは遅すぎた」彼は痛感しました。
結局、辰夫は村に戻ることができず、山の中で静かな最期を迎えました。彼の話は村の人々に語り継がれ、「急場に臨んで慌てても、平生からの心がけが肝心だ」という教訓として残りました。村人たちは改めて、日々の健康管理や心がけの大切さを心に刻み、辰夫の教訓を忘れないように努めました。









