藪医者の玄関
やぶいしゃのげんかん

意味

2024/10/5(土)

とかく藪医者にかぎって、患者を信用させるために堂々とした構えの玄関にしているの意で、不釣り合いに立派な玄関を冷やかしたり皮肉ったりすることば。

あらすじ

藪医者の玄関

ある町に、見栄えの良い家に住む藪医者、田村がいました。彼は自らの診療所を立派に飾り付け、真新しい看板を掲げ、華やかな玄関を持っていました。しかし、彼の医術はまったくの代物で、患者たちは診療を受けても一向に回復しないことが多かったのです。町の人々はそのことを知りながらも、田村の玄関に引き寄せられてしまうのでした。

ある日、町の若者、健一が高熱に悩まされ、田村のもとを訪れました。玄関は豪華で、木製のドアは華麗な彫刻が施されていましたが、健一は少し不安を感じていました。しかし、彼は妖艶な外観に心を奪われ、勇気を振り絞って中に入りました。部屋には香りの良いお香が焚かれ、立派な椅子が並んでいました。患者の期待を煽るような装飾には、確かに一瞬魅了されました。

診察が始まりましたが、田村は健一の話をろくに聞かず、ただ検査器具を取り出して形だけの診断をしました。「おそらく風邪でしょう」と言い、特製の薬を渡すだけでした。健一は不安になりながらも、外見の立派さに惑わされ、「これが本物の医者の治療だ」と信じてしまうのでした。帰り道、彼は自分が依存している不確かな医術に気づきましたが、その時にはすでに時遅しでした。

町の噂が広がり、田村の診療所には連日患者が絶えませんでした。誰もが分かっていることなのに、見かけの華やかさに引き寄せられる人々。健一はその光景を見ながら、不思議な気持ちに襲われました。「藪医者の玄関」とはまさにこのことだと、彼は思いました。そして、彼は次第に自分自身の健康を取り戻すため、他の医者を探し始めましたが、ひとつの教訓を胸に刻むのでした。外見に惑わされず、真実を見抜く目を養うことが大切だと。


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