あらすじ
麦飯で鯉を釣る
昔々、ある村に貧しい農夫が住んでいました。彼の食事はいつも麦飯だけ。米を育てる余裕がなかったため、村の皆からは「貧乏農夫」と呼ばれていました。しかし、彼の夢は大きな鯉を釣り上げて、それを売ることで一攫千金することでした。
ある日、彼は川辺で釣りをすることにしました。手にしたのは、ただの麦飯。村の人々は彼を見て「また無駄なことを」と嘲笑いましたが、農夫は静かに釣り糸を垂れました。すると、なんといきなり大きな鯉が釣れたのです。周囲の人々は目を丸くし、彼の運を羨ましがりました。
農夫はその鯉を売って得たお金で、必要な道具を手に入れ、さらなる釣りに挑戦しました。しかし、次第に彼はその利益に満足せず、他人を見下すようになりました。彼は「貧乏は選ばれし者の宿命。お前たちも麦飯を食べれば、大きな利益が得られる」と村の人々に耳打ちし、さらに横柄さを増していきました。
その結果、村の人々はますます農夫との距離を置きました。彼は孤独に成り果て、初めは謙虚だった麦飯の意味を忘れてしまいました。「麦飯で鯉を釣る」は、わずかな元手でも成功は可能だという教訓でしたが、彼はその心を失い、ついに自らの成功を台無しにしてしまったのです。人は、時に得た利益に心を奪われてしまうものです。
